<2018年5月12日更新>
職場や学校で「ロジカルにモノを考えることができない」「論理的に考えろと言われてもどうすればいいか分からない」という方は多いのではないだろうか。かく言う僕も、どちらかというと感覚やフィーリングで言葉を発するタイプで、ロジカルな思考は得意ではない。
そこで、これまで様々な関連本を読んで勉強を重ねてきたが、今回は「初心者・入門者にオススメしたいロジカルシンキング関連のビジネス書」を3つ紹介する。僕もこの3冊から多くのことを学ぶことができた。自信を持って良書だとオススメできるものばかりなので、悩む人の参考になれば幸いだ。
1.ロンリのちから
ドラマ仕立てで「論理の仕組み」が楽しくわかる。NHK・Eテレ『高校講座』人気番組の待望の書籍化!「あの『ロンリのちから』はスゴイ!」「自分も学生時代に出合っておきたかった!」……ビジネスマンにも話題となった『ロンリのちから』が内容をさらにパワーアップ、1冊に!(Amazon)
NHK高校講座で、以前『ロンリのちから』という番組がやっていた。この番組は高校生向けに論理学の基礎を教える番組で、論理学の権威である野矢教授(東京大)が監修をしている。この番組が素晴らしく良い。三段論法や因果関係、合意形成など様々な論理を分かりやすく解説しており、ドラマ仕立てで分かりやすい。
この番組の内容を書籍として体系的にまとめたのが本書である。全10章のストーリーから構成されており、それぞれの章で「三段論法」「水掛け論」「類比論法」「合意形成」といった項目についてストーリー問題と詳細な解説が用意されている。
たとえば「私は早起きである。私は営業マンである。だから営業マンは早起きである。この三段論法がおかしいのはぜか?」といった問題をもとに、各章で解説が行われる。
本書は「論理思考とは何か?」という概念を習得することができる良書であり、高校生を対象にしている本なので理解も進みやすい。ロジカルシンキングを学ぶ最初の段階で基礎固めとして使ってほしい。
※「ロンリのちから」はNHKのホームページで全話公開されている。こちらもぜひ参考にしたい。 NHK高校講座 | ロンリのちから
2.世界一やさしい問題解決の授業
日本発世界へ――米メディアでも話題沸騰。物事の本質を見極め、打ち手を考え、具体的な行動に落とし込む「問題解決力」がシンプルにわかる本として世界20カ国で出版決定。Business Week、USA Today、New York Post等、米主要メディアでも話題。世界的な経営コンサルティング会社で使われている「問題解決能力」のトレーニングを、中学生向けにカンタンにブレイクダウン。世の中を生き抜くホンモノの思考力が身につきます!
本書は「問題を解決するために、どうロジカルに物事を考えるか」という方法論についてまとめられた良書である。
中学生にも分かるように書かれているだけあって、めちゃくちゃ分かりやすい。
- 現状の理解
- 原因の特定
- 打ち手の決定
- 実行
というサイクルをどう回せばよいのか。それぞれの段階について、身近な事例をもとに解説をしている。例えば「学生バンドのライブにお客さんが集まらない」という問題に対して、ロジックツリーを用いて課題を分析し、仮説を立案し、実行するという流れを楽しく解説してくれている。
筆者はマッキンゼー出身で「問題解決の技法」を中高生向けに教えている方であり、この分かりやすさも納得である。本書は問題解決に重心を置いた本になっているので、ロジカルシンキングを勉強したい、という方よりも、より実践に近い形でロジカルシンキングを問題解決に生かしたい方にぴったりだろう。
3.そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?
「考えてから発言して」「ちょっと考えればわかるだろ」「もう一度ちゃんと考えてみて」などと、上司や先輩に言われたことはありませんか? 仕事をしていく中で、「考える」ことは不可欠です。
本書では、「きちんと考える」ときに押さえておきたいポイントから、論理的に考えるためのきっかけのつかみ方、問題を解決する方法までを、ストーリー形式で、やさしく解説します。
舞台は新幹線の中。広告会社に勤めるサオリは、偶然隣りの席になった数学を専攻する大学院生・優斗に、今まで誰にも聞けなかった「どうすればちゃんと考えられるのか?」という疑問をぶつけます。仕事で伸び悩むサオリが、優斗との会話を通して、何から考え始めればよいのか、どう考えれば斬新なアイデアが生まれるのか、根拠ある考えの裏には何があるのか、などを学んでいきます。
早くゴールにたどり着くための効率的な考え方、三段論法・消去法の便利な使い方、どんなツッコミにも答えられる頭の中の整理法、相手を論破する反例と背理法の活かし方など、毎日の仕事に役立つ考え方を多数紹介。丁寧な解説と豊富な図表で、誰でも簡単に、今日から使える「考えるコツ」を、楽しみながらつかむことができる一冊です。
「考えろ」と言われても正直どうしたらよいかわからない。という人向けに書かれたロジカルシンキングの入門書。その場のノリと雰囲気だけで生きてきた女性広告マンのサオリが仕事で問題にぶつかるところからストーリーが始まる。新幹線で偶然出会った数学専攻の大学院生・優斗との会話を通して「考える」とは何かということを楽しく学ぶことができる。
本書はそれぞれの章で簡単な例題が出題され、それをサオリと一緒に考えながら読み進めることで、自然とロジカルシンキングのエッセンスを学ぶことができる。特に文系で数学的な思考が苦手だった、という方にはお勧めだ。問題としてもやや平易なものばかりなので、サクサクと2時間程度で読み終えることができた。
冒頭に紹介した「ロンリのちから」よりは体系的ではないが、流れに乗ってエッセンスを学びたいのであれば、こちらの方がオススメできる。
4.考える技術・書く技術
明快な文章を書くことは、明快な論理構成をすることにほかならない――。 本書は、マッキンゼーをはじめとする世界の主要コンサルティングファームでライティングのコースを教えるバーバラ・ミントが、独自の文書作成術を披露した本である。
報告書やメール作成をはじめとするライティングの基本を網羅した最強のビジネス書。「ピラミッド原則」と呼ばれる論理構成の作り方を学べば、正しいロジカルライティングができるようになります。また、ピラミッド原則をマスターしておくことで、頭の中にロジカルに物事を考える枠組みを持つことができるでしょう。内容は難解な部分もありますが、この本の内容を血肉化させておくことは今後の社会人生活の財産になるでしょう。
5.入門 考える技術・書く技術
バーバラ・ミントの大ロングセラー『考える技術・書く技術』がよくわかる、入門ガイド決定版 論理思考をするうえでの「日本語ならではのハンディ」を乗り越える方法を具体的に指南。 ビジネス文書もメールも見違えるように上達する!
考える技術・書く技術の入門書。上記で紹介している本家は翻訳版であり、やや理解が難解な部分もあるため、こちらの入門書で勉強してから本家を読むことをお勧めします。日本語特有の論理構成にも対応しており、スムーズに理解することができるでしょう。
まとめ
5つのロジカルシンキング入門書を紹介してきたが、いかがだったでしょうか?
僕自身、ロジカルにモノを考えるということは苦手な分野の一つで、関連書籍はたくさん読んできましたが、この5冊の書籍は勉強し始めるに当たって、最もオススメできる入門書です。ぜひ気になった本を読んでみてください。
また20代におすすめのビジネス書はこちらの記事から!