【資格】中小企業診断士のメリットとデメリットまとめ

中小企業診断士という資格をご存知でしょうか?

これまで僕はTOEIC900や簿記2級などの資格を取得してきましたが、今後20代のうちに挑戦したいと思っている資格の1つです。

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僕は平成29年(2017年)の試験では一次試験の4科目を攻略することに成功しています。

残り3科目と2次試験の合格に向けて現在は勉強を重ねています。

本日は勉強を進める中で感じた中小企業診断士の取得を目指す上でのメリットとデメリットについてまとめていきます。

中小企業診断士とは

日本で唯一の経営コンサルタントの国家資格。中小企業の経営に関して、多面的な知識を問われるハイレベルな資格です。1次試験と2次試験をストレートで合格する人は全体の3~4%という非常に難易度の高い試験となっています。標準的な勉強時間は1,000時間以上と言われており、1日3時間毎日勉強したとして、1年間で1,095時間なので、最低でも1年間の勉強時間が必要でしょう。

試験科目について

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理(オペレーションマネジメント)
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営/中小企業政策

受験科目は上記の7科目8教科となっています。1次試験は総合得点で60%を超えないといけないので、広く深い知識が要求されます。マークシート選択式とは言え、その問題は回答に迷うものも多く、6割の壁の高さを感じます

試験の概要

  • 中小企業診断士試験は「第1次試験」と「第2次試験」の2段回選抜
  • 1次試験は企業経営やコンサルティングに関する4択問題(マークシート式)
  • 2次試験は1次試験通過者のみが受験可能。筆記試験と面接試験の2つがある
  • 1次試験では科目合格制度があり、2年前までの試験結果を持ち越せる

合格基準

【1次試験】
7科目の総点数で60%以上。ただし1科目でも40%を切ると不合格
【2次試験】
・筆記試験:4科目で各設問15~200文字程度の記述式

・口述試験:筆記試験の出題内容をもとに4~5問の出題(10分程度)

試験の紹介はこの程度にして、ここからは受験に当たってのメリットとデメリットを紹介していきます。あくまで僕は合格者ではないため、インターネットで得た情報のまとめが中心となりますのでご注意ください。まずはデメリットから行きましょう。

中小企業診断士のデメリット

1.取得に時間が掛かり、コストパフォーマンスが悪い

既に述べたように、中小企業診断士の試験勉強には膨大な時間が掛かります。ストレート合格できる人は5%以下と少なく、3年~4年も勉強を続ける受験者もザラにいます。ここまで時間が掛かる割に、資格を持っていればすぐに転職や独立開業ができるわけではありません。独立や開業のしやすさで考えれば、行政書士や税理士などの資格の方が有利かもしれません。

2.転職や収入アップに直結する資格ではない

更に、中小企業診断士を取得すれば、それだけでコンサルティングファームなどに転職できるわけではありません。むしろ実務経験もなく、資格しか持っていない人間では全く意味がないでしょう。現状では中小企業診断士を取得しても、これまで通り企業で勤務を続ける方が多数となっています。企業によっては資格手当などで収入が増えるかもしれませんが、昇進に直結するかと言われると微妙です。

3.まだまだ資格自体の知名度が高くなく、認知度が低い

「中小企業診断士、なにそれ?」ってなりがちです。難易度が高いわりにマイナーな資格ですね。とはいえ、一応士業なので、「先生」と呼んでもらえるかもしれません(どうでもいい)

4.出題範囲が広く浅くなので、専門性に至らない

公認会計士や税理士などは高度な専門性を持っており、それだけで武器になりますが、中小企業診断士の場合は、経営全般の知識を広く浅く勉強することになります。色んな資格の2級レベルの寄せ集め、なんて揶揄されることも。したがって、深く狭い専門的な知識はあまり身につかないでしょう。

中小企業診断士のメリット

ここまではデメリットを中心に見てきましたが、もちろん診断士の取得には大きなメリットがあります。僕もこのメリットを享受するために頑張って勉強を継続しています。

1.経営に関する知識を包括的に学ぶことができる

1次試験7科目と2次試験4科目という膨大な勉強範囲を通して、企業経営に関する知識を一通りマスターすることができます。中小企業診断士は日本版のMBAとも言われており、学習内容はMBAで学ぶ内容と似通っています。

したがって受験者は経営に対する知識やセンスを身につける自己啓発目的の人が多くなっています。MBA取得はお金も時間もかかり、なかなか大変ですが、診断士受験であれば低いハードルでMBAと同じ勉強をすることができます。

また、大企業で勤務しているような方は個々の仕事が細分化されており、全体として自分の仕事がどのように経営に繋がっているのかが見えにくくなりがちです。

中小企業診断士の勉強を通して、経営に対する知識や考え方を習得することは今後のキャリアにおいて大きなプラスとなるでしょう。幅広い知識を体系的に身につけることで自らの強みを構築することができます。

2.転職の際のアピールポイントの1つになる

中小企業診断士の資格は転職時のアピールポイントとして活用できるでしょう。少なくとも1,000時間を超える勉強をこなし、中小企業診断士になっていることはあなたの地力やスキルを証明する裏付けの1つになるでしょう。

3.社内でのキャリアアップに繋がる

試験勉強をして、経営に対する知識を身につけることで、経営者視点を持って仕事ができるようになるでしょう。資格そのものだけではキャリアアップとはならないかもしれませんが、その知識や考え方を活用して仕事をしていくことで、昇進のチャンスも掴み取れるかもしれません。実際に診断士資格を取得してから社内の経営企画部門に異動し、キャリアアップを果たした方も沢山います。

4.他の中小企業診断士との繋がりができる。

こちらは中小企業診断士に合格された方の体験記を読むと良く出てくるキーワードです。実際に診断士のネットワークは非常に強いものらしく、診断士になったことで新たな出会いがあったり、新たな仕事の話が舞い込んだりと、人生が大きく変わった人もいるのは事実です。

5.独立開業のチャンスを手にできる

もちろん、資格の取得後は独立開業することも可能です。会社に雇われて一生を過ごすことも良いでしょう。しかし僕は「場所を選ばずどこでも、誰とでも仕事ができるスキル」を手にして、自分の人生をコントロールできる力を持ちたいと考えています。

会社に雇われて仕事をしながらも、空いた時間で勉強を重ね、いつかは自分の事務所を持って自分のスキルだけで楽しく仕事をしていきたいと考えています。

僕が中小企業診断士の勉強をしようと思った理由

最後に僕が中小企業診断士の勉強をしようと思った理由についてまとめておきます。

1.20代の若いうちに自分の可能性を広げておきたい

20代のうちに資格試験などにチャレンジして、自分の可能性を広げておくことは大事なことの1つだと考えています。偶然ですが、今の会社は残業も少なくて、自分のために使える時間が沢山あります。

もちろん趣味やスポーツにも時間を使っていますが、それ以外にも自分の成長のために勉強をしたいという思いも強くあります。特に中小企業診断士は40代~50代の受験生が半数以上で、20代の受験者数は2割以下となっています。そんな中、20代で診断士となることで人材としての希少価値は増すのではないかと考えています。

2.実務と理論の両輪で勉強がしたい

こちらも偶然ですが、現職では経理をはじめ複数部門で経験を積むことができました。経理で実際に原価を積み上げたりしていますが、いまひとつ実務的過ぎて理論が頭に入って来ていない感覚があります。実際に実務をこなしたら、理論の勉強を通して知識を体系化したいというのが僕のタイプなので、中小企業診断士の勉強で幅広い知識を身につけようと思っています。

3.多面的な視点から経営判断ができるようなメーカーマンになりたい

いまは製造業の会社に勤めていて、まだ5年目なので大きな裁量があるわけではありません。しかしながら将来的には大きな経営判断に関わり、会社そのものを動かしていきたいという思いがあります。

例えば「Aという部品を内製化するのと外製で納入するのとどちらのコストが安いか」という経営判断について、中小企業診断士の科目である運営管理の知識があれば、どういった生産方式や在庫管理で安く内製するかを考えられたり、外製の場合はどういった発注方式を実践するかを考えられたりと、多様な視点で事業を見られるようになります。さらに財務会計の視点があれば、内製での生産装置・金型代金の償却や外注との支払い条件・資金繰りやファイナンスなどについても目を配って考えられるようになります。

などなど、他にも色々と理由はあるのですが、今回はこれくらいにしておきます。
いずれにせよ、中小企業診断士の取得を目指すかどうかは難しい問題です。勉強にはそれなりの覚悟も時間も必要です。しかし、それでも僕はこの資格には大きな魅力を感じています。資格そのものが欲しい、というよりも、資格取得に至る勉強をしたい、という感じですね。