【初学者向け】中小企業診断士1次試験合格に向けた勉強法と勉強時間まとめ

先日、平成29年度の中小企業診断士の合格発表がありました。

自己採点通り、無事4科目で合格!ほっと胸をなで下ろしました。とは言ってもまだ1次試験の突破までには3科目残っているので、来年の試験に向けてまた頑張らないと。

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今回は「来年の試験に向けて中小企業診断士試験を受験しようか悩んでいる…」という方に向けて、1次試験合格に向けた勉強方法や教材、勉強時間について紹介していきたいと思います。

これから中小企業診断士試験の勉強を始める方の背中を押せるような記事になれば幸いです。

必ずしも1年での合格を目指す必要はない

これから勉強を始める方に言いたいことがあります。この試験は「1年でストレート合格!」なんて目指す必要ありません。予備校の戦略か分かりませんが、巷には「ストレート合格」という言葉が溢れています。しかしこんな言葉に踊らされてはいけません。

下表のように、1次試験マーク式7科目・2次試験論述4科目の計11科目を1年で合格するには相当な労力と時間が必要です。正直言って普通のサラリーマンが仕事をしながら1年間で合格できる勉強量ではありません

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一般的なサラリーマンであれば、1日に取れる勉強時間は頑張って2時間くらいでしょうから、1週間で14時間、1ヶ月で約60時間なので、1年間で700時間程度です。一方で中小企業診断士試験の合格には一般的には1,000時間以上の勉強時間が必要と言われているので、1年での合格はかなり厳しいと言えるでしょう。

それでも1年で合格している人はいますが、経理のプロで財務会計は勉強しなくても100点取れるとか、弁護士で経営法務は完璧、とかそういう人が多かったりするので、あまり気にせず、普通の人は普通の人なりの戦略を立てていきましょう

2年計画がベスト。学習順序を考慮して計画を立てよう。

では、僕のような普通の人間が合格を目指すには、どのように勉強を進めればよいのでしょうか。僕は2年計画がベストだと考えています。まずは1年目に「1次試験で2次と関係の薄い暗記科目」を科目合格すること。そして、2年目に「残りの1次試験+2次試験」の合格を果たすことです。

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2年計画を前提に、このような順序で学習を進めることによってスムーズな合格が可能となります。1年目は400時間を掛けて暗記科目(経済学は理解が必要ですが…)を攻略し、2年目に600時間を掛けて主要3科目と2次試験の科目を攻略する。こうすれば1日2時間弱の勉強で十分に合格が可能です。

勉強方法について

それでは2年計画の前提で勉強を始めていくに当たって、どういった方法で勉強を進めていくべきか考えてみましょう。勉強方法には大まかに分けて次の3種類があります。

  1. 予備校での学習
  2. 完全に独学での学習
  3. 通信講座+独学

それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

1.予備校での学習

大手の予備校では診断士向けのコースが複数用意されており、有名講師から丁寧な指導を受けることができます。最近ではDVD授業のコースも用意されていて、時間を気にせず勉強できるようになってきました

予備校での学習は、自分1人では勉強を継続する自信が無い方や、確実な合格を目指す方には最適な方法だと思います。なにより実際に講師から直接授業を受けて、その場で質問ができるというのは勉強において最高の環境です。おそらく最も合格可能性が高い勉強方法でしょう。

各社ホームページでも詳細に講座紹介がされています。

■TAC

中小企業診断士| 資格の学校TAC[タック]

■LEC

中小企業診断士 | 資格のことなら合格のLEC

■大原

中小企業診断士|社会人講座|<資格の大原>

しかし、ネックとなるのがその費用の高さ。基本的に受講料は20万円以上と高額で、なかなか簡単に出せる金額ではありません。高いお金をつぎ込んでもいいから、効率よく確実に合格したい!という方以外はなかなか難しいかもしれません。

2.完全に独学での学習

なんと言っても安いコストで、自分に合ったペースで学習できるのが、参考書を使った独学でしょう。TACのスピードテキスト、スピード問題集は定番で、多くの受験者の支持を集めています。僕が1次試験を受けた時も、休憩時間は7割くらいの人がこのテキストで見直しをしていました。

実際、このテキストを1冊まるまる理解し、暗記することができれば問題なく合格点を取ることができるでしょう。

特にもともと素養がある科目が多ければ、無理をして予備校に通う必要もありません。独学でテキストを読んで問題集を解くだけで、ある程度合格点を取ることができるでしょう。

スピードテキストが1冊2,400円。スピード問題集が1冊1,500円程度ですから、7科目揃えると、掛かるコストはおよそ3万円弱。これに過去問題集などを加えてもトータルで5万円以内に収まるでしょう。予備校の20万円と比べると掛かるコストは4分の1と非常に安くなっています。

しかし、安いコストは確かに魅力的ですが、デメリットとしてはやはり「テキストを読むだけでは理解できない」箇所が出てくることでしょう。僕も最初は独学を継続していましたが、経済学全般や運営管理、財務会計などの計算問題などはテキストを読んだり問題集を解いたりしても理解ができずなかなか大変でした。つまずく苦手科目が出てくると、そこで勉強が嫌になって諦めてしまうケースも多く、安いながらもリスクは高い方法だといえるでしょう。実際僕もつまづいた所で勉強が嫌になり、何度も挫折しそうになりました。

 3.通信講座+独学

僕が最もオススメする勉強方法がこちら!通信講座をベースに独学で勉強する方法です。最初は独学で試行錯誤しながら勉強していた僕でしたが、試験の5ヶ月ほど前から「これは独学無理だわ…」ってことで、通信講座を始めました。結果としてこの選択が4科目の科目合格に最も貢献してくれました

通信講座+独学のメリットとして、以下の点があげられます。

  1. 予備校の講座よりも安いコストで受講可能(5万円程度)
  2. テキストを読むだけでは理解できない部分も、講師の解説を聴ける
  3. テキスト/問題集+音声・動画講座がセットになっているので、参考書や問題集を買う必要がない

1年間ほど勉強をし、1次試験で4科目合格できましたが、予備校のような動画・音声授業とテキストがセットになり、それでいて5万円程度という安いコストで受講できる通信講座が最強です。上で紹介したように、独学用テキストと問題集だけでも全部揃えるだけで5万円程度するのに、それとほぼ同額で動画講座が視聴できる通信講座は最もコストパフォーマンスが良い勉強法だと言ってよいでしょう。

僕が利用したのは「通勤講座」という教材でした。

通勤講座のメリット

通勤講座は、動画講義+テキスト+問題集+過去問演習+模擬試験がセットになった通信講座です。もちろん1次試験だけでなく、2次試験にも対応しているのも魅力です。これら全てをオールインワンで手に入れることができ、更に費用も5万円台と衝撃の安さ

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中でも僕は動画講義が最も役立ちました。これによって、独学では分からない部分の理解が進み、停滞していた勉強もスムーズに継続することができたように思います。この動画講座の良い部分は、下のような「学習マップ」を用いた解説をしてくれるところ。

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スピードテキストなどの参考書は、漏れなく試験範囲をカバーするために細かい知識まで沢山載っていますが、どこを優先して覚えるべきなのかが一目で分かりません。その点、通勤講座の学習マップはマインドマップを用いたメモリーツリーのようになっており、一目で学習のポイントが分かります。1つの単元を1つの絵として暗記することができ、記憶の定着に役立ちました。

通勤講座の学習の流れは以下のような感じ。

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まずは基本講座を動画で視聴し、(1単元:40分~70分ほど)、その後に「通勤問題集」という問題集を解きます(1単元:8~25問程度)。動画も問題集ももちろんスマホでの学習が可能。僕は毎朝早めに出社し、会社の食堂でコツコツと進めていきました。そして過去問演習をし、1つの単元が終了するという流れです。このサイクルを全科目で繰り返しつつ、手持ちのスピードテキストで知識の漏れを補充するという流れで勉強を進めていきました。

通勤講座」というだけあり、スマホやタブレットで通勤時間などのスキマ時間で取り組める点も良いですね。普段スマホでゲームをしている時間を通勤講座に変えるだけでもかなり効果が出ると思います。更に動画講義は1.5倍~2倍速で再生ができるので、高速再生して時間を有効活用できます

独学で、自分でスピードテキストと問題集、過去問を5万円近く出して購入するのであれば、最初から通勤講座を選択して、腰を据えて取り組んだ方が良いと思います。

 通勤講座のデメリット

ここで通勤講座のデメリットについても少し触れておきましょう。

動画がストリーミングでしか視聴できない点は改善してほしいところです。音声のみはダウンロードしてスマホやiPodに入れることはできますが、なぜか動画のダウンロードができません。そのため、動画を見て勉強する際にはWi-Fiのある場所でしかできないというのは少し不満な点でした。

とはいえ基本的には満足行く講座で、4科目の科目合格に大きく貢献してくれた講座でした。無料での体験講座もあるので、これから勉強を始めようと考えている方は、試してみて損はありませんよ