【就活生向け】現役メーカー文系社員がメーカー文系職種を12個紹介する

そろそろ就活シーズン到来ということで、社内の採用セミナーなんかに駆り出されたりしていて、自分が就活生の頃を懐かしく思う今日この頃です。

本日は大卒文系として製造業(メーカー)に勤めている僕が、メーカーの文系職種について解説していきたいと思います。近年は金融機関やIT関連が文系の就職先として人気になっていますが、メーカーにもこんな面白い仕事があるよ!というのを知ってもらえれば嬉しいです。

就職先も大事だけど、どんな職種に就くかも大事

僕もそうでしたが、就活生は「どこの会社に入るか」ということに囚われ過ぎている気がします。もちろんまずは希望の業種に入社しないことには始まらないのですが、その先にある「どんな仕事をしたいか」すなわち職種選びも非常に重要です

以前にこんな記事も書きましたが、 安定して結構なアクセスがあります。

【配属面談】希望通りの部署へ配属されるための4つの戦略

リンク先の記事では内定後の配属面談をテーマにしていますが、内定をもらう段階で配属される職種が決まっている会社も多いかと思います。

なので希望している業界・会社にはどんな職種があって、どういった仕事ができるのか、をしっかりと考えた上で説明会やインターンシップなどに臨んで欲しいと思います

それでは、本日は文系大卒メーカーでの代表的な職種を12個紹介していきます。

会社によって職種の名称や業務範囲が異なっている部分も多いと思いますが、就活生の方の参考になれば幸いです。

営業

会社にもよりますが、文系でメーカーに就職した場合に最も多く配属される職種が営業職でしょう。B to BとB to Cによっても営業スタイルは大きく異なりますが、自社の製品を訴求し、販売価格を決め、取引先に商品を売り込む役割を担います。

会社によって商材もビジネスモデルも違うので一概に言えませんが、技術的な部分まで踏み込んだ商品知識や商品を買ってもらうための営業スキルが必要になります。

メーカーの中でも直接お客さんとやり取りができる部門であり、自分の成果が数字として見える部門でもあるので、そこにやりがいを感じる人も多いです。営業と言えば飲み会、というイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、そこは企業によって営業スタイルが大きく違いますので、セミナーやOB訪問の際に確認してみるといいでしょう。

ただ採用セミナーやリクルーター活動では営業をやりたくないという学生にもよく出会います。本当に営業がやりたくないのであれば、営業職が無いメーカーを探してみるのも一つの手でしょう。

商品企画

文字通り新しい商品を企画していく部門。自社の開発部門と協働しながら、どんなコンセプトの商品を企画するかを考えるメーカーの花形とも言える職種です。

商品企画と言えばクリエイティブなイメージがあるかもしれませんが、ただ単にアイデア勝負な部門ではありません。他社製品のスペックを研究したり、調査会社からのレポートを分析して、どんな製品に需要があるかを判断したりとロジカルに考える視野を持つことも大切です。また自社技術の限界やコスト等の制約条件を考えた上で「売れる商品を作る」ことが必要ですので、社内での調整も多岐に渡ります。

常に中期計画ベースで2~3年先の商品を考えることになる仕事なので、抽象的な部分もあり「絵に描いた餅」を考えなければならないという側面はありますが、自分の企画した商品が世に出る喜びは大きく、やりがいに溢れる部門だと言って良いでしょう。

事業企画・マーケティング

事業企画は商品企画と重なる部分が大きく、商品企画が担う会社もあるかと思いますが、メーカーの中でも重要な職種の1つです。

商品企画との違いは、商品企画が数年後に発売する商品そのものを企画するのに対し、事業企画・マーケは製品のビジネスモデルの構築やマーケティング、コスト戦略の立案など事業全体に関わる企画を行うことが求められます。

「製品を安く作って高く売る」という製造業の基本を戦略に落とし込んで、各部門を調整していく仕事になります。ビジネスそのものの方向性を考えることができる部門だと言ってよいでしょう。

経営企画

経営企画は各事業ではなく、 中期計画や長期計画など全社の進むべき方向性や企業戦略を考える部署になります。新卒文系で配属されるケースは少ないと思いますが、会社全体の舵取りを行う重要な部門です。

製造

文字通り、工場などで顧客に販売する製品を生産・製造する部門。メーカーの原点であり、生命線とも言える重要な部門と言ってよいでしょう。製造部門の人件費や経費は全て製品の原価に直課されます。いかに効率良く、安いコストでモノづくりができるかはメーカーの競争力に大きな影響を与えます。

製造部門はメーカーに欠かせない重要な組織ですが、一般的に大卒文系で就職した場合に配属されるケースは少ないでしょう。ただし現場実習・生産実習という名目で新人研修の一環としてラインでの現場作業を課している会社は多いです。

生産管理

企業の生産活動全体をコントロールする役割を担う司令塔的なポジションが生産管理です。月次や週次でどの製品を、いつ、どんな順番で製造するかという生産計画を立案し、部品手配、製造指示、出荷、新製品の立上げまで生産全体を統括します

生産管理は製造現場の司令塔として、社内の関連部門とのやり取り・調整が非常に多く発生します。おそらく工場であれば関わりが発生しない関連部門はほぼ無いでしょう。沢山の関連部門と協働し、生産全体を自分の力でコントロールしていけるところが魅力ですね。

調達・購買

製品に使用する部品や原材料をサプライヤーから調達してくることが調達部門の仕事です。ただモノを買えれば良いだけではなく「品質の良いものを、安いコストで、納期通りに」調達するということがミッションになります。

社外のサプライヤーと直接コストダウン交渉をし、製品の原価を下げることで直接会社の利益に貢献できることが魅力です。生産に使う部品バイヤー以外にも生産装置や金型などのバイヤー業務もあり、社外との関わりが多い職種です。

経理・財務

企業活動において、ヒト・モノといった経営資源の動きをカネの動きとして捉え、経営状況を可視化して経営陣をサポートする業務を担う部門となります。具体的には原価計算、月次決算の作成、予算立案など多岐にわたる業務を行っています。

常に経営陣の近くで仕事をし、会社の意思決定に非常に近い立場で数字の面から経営をサポートできるというところが仕事の魅力です。

法務・知財

事業を運営していく中で、法律や知的財産に関するサポートの必要性が増しています。特許侵害や商標の類似性を巡る裁判は日々繰り返されていますし、アジア諸国では模倣品の問題も多くなってきています。また特許を交換しあうクロスライセンスといった攻めの法務戦略も重要となってきています

このような環境の中で法律・知財のスペシャリストとして専門性を生かしながら事業運営をサポートする法務スタッフは社内でも貴重な戦力として重宝されています。

人事・総務

事業の運営をヒトの面からサポートする人事は企業に欠かせない存在です。採用から給与計算、労務管理、制度設計など、多岐にわたる仕事があります。 近年では有能な人材をどうやって中途採用するか、働き甲斐のある会社にするためにはどういった人事施策が必要か、といった戦略的な人事も求められています。

広報・宣伝

自社の製品をどうやって宣伝していくかを考え、各種の媒体を使ってPRしていくことが広報・宣伝部門の役割です。また製品のみならず企業のブランドをどう向上させていくかというブランドマネジメントの視点も必要となってきます。メーカーの中でも華やかな職種というイメージがありますが、配属ポストは少ないことが多いです。

ロジスティクス・物流

メーカーの商流はグローバル化に伴い世界中に広がっています。ロジ部門では自社で製造した製品をどのような手段で安く・早く輸送するかという戦略を構築し、実際の配船やトラックの手配までを担います。近年はSCM(サプライチェーンマネジメント)が重視されるようになり、注目を集めている部門の1つです。

ロジ部門では物流コストの削減によって製品の原価を大きく下げることもできます。調達部門と同様に直接利益創出に関われるグローバルな職種だと言えるでしょう。

まとめ

会社によって組織の名称や各部門の役割は大きく異なってきますが、本日は就活生に向けた参考として代表的な職種を12個紹介してきました。

同じメーカーに入ったとしても、商品企画をやるのと人事をやるのでは大きく違います。どの企業に就職するかを考えるだけではなく、就職した後に「どんな仕事をしたいか」まで考えて就職活動に臨むことがベストかと思います。

就活生の皆さん、最後まであきらめずに頑張ってください!