【英語が不安?】海外駐在生活で英語力はどう伸びていくのか?実体験を解説する

本日は海外赴任の1年間で、純ジャパの私の英語力がどう伸びていったかをまとめます。

  • 海外赴任したけれど、一向に英語が上達せずに絶望している
  • 海外赴任で英語って本当に伸びるの?
  • 駐在のための英語力って実際どれくらい?

そういった疑問や悩みをお持ちの方に、私のリアルな赴任体験談をお伝えできればと思います。

私の基本スペック

  • 大手日系メーカーに勤務している30代文系社員
  • 現在は英語圏の国に海外駐在中
  • 純ジャパ/海外留学経験ゼロ
  • TOEICの勉強だけしていたため、TOEICスコアは800~900程度
  • 日本での仕事では英文メールを書く程度で、英語ミーティングはほぼ未経験

最初に私の基本スペックですが、上記の通りです。

仕事でも英文メールくらいは書いており、TOEICもそこそこ取れるけれど、実戦経験は皆無といった状態でした。

赴任直前~隔離期間

海外赴任が決まってからは、準備が忙しく、あまり英語の勉強時間が取れませんでした。

コロナ禍での赴任となったため、入国と同時に14日間の強制隔離。強制隔離中から、現地のミーティングに顔を出し始めました。その時の実感は以下の通り。

【スピーキング】

・簡単な自己紹介なら覚えていたフレーズでなんとかなる

【リスニング】

・聞き取れて理解できるミーティング内容は20~30%程度

・簡単な質問でも、聞き取れないことが多い

この時点では、まだ本格的に仕事を始めているわけではない(責任ある仕事を任されていない)ので、英語が分からなくてもとりあえずは困りませんでした。

赴任1か月目

隔離が明けてようやく出社しましたが、コロナ禍ということもあり、社内にローカル社員はほとんどおらず、オンライン会議が基本となっていました。

前任者からの引継ぎも兼ねて顧客回りに出ましたが、笑顔で頷くことしかできなかったのをよく覚えています。

【スピーキング】

・簡単な質問が少しできる程度。複雑な説明は英語が出てこない

【リスニング】

・お客さんに質問したとしても回答で専門用語が出てきて、半分も聞き取れない

・お客さんから出てきた要望が聞き取れないのに、分かったフリをして後から困る

・ローカル社員との雑談も聞き取れず、コミュニケーションに困る

赴任初期に困るのは、現地の固有名詞や専門用語の存在です。英語が分からないことに加えて、その国の業界事情や固有名詞が分からないため、英語力がある人でも最初はかなり苦労すると思います。

また、赴任当初の時期は家の契約やクルマの購入、歓迎会などで忙しく、ほとんど英語の勉強ができていませんでした。

赴任3か月目

赴任3か月目ともなると生活面は大きく慣れてきますし、プライベートの行動範囲も広がってきます。一方で、前任者が帰任するなど、仕事はいよいよ本格化します。

【スピーキング】

・定型の会議で、定型の内容ならなんとか自分の考えを伝えられる

・複雑な会話はまだできない

・英語のプレゼンは原稿を書かないと話せない

【リスニング】

・聞き取れるのは会話の30~50%

・非ネイティブの英語なら70%程度聞き取れるが、ネイティブ同士の会話は全く聞き取れない

3か月目では、英語が上達したというよりも、英語での仕事に慣れたといった方が良いかもしれません。同僚の役割や現地の事情・仕事の流れがバックグラウンドの知識として身に着くと、英語の聞きやすさも変わってきます。

赴任半年

即戦力が求められる海外駐在では、半年間も滞在すればもうベテラン扱いで、普通に仕事を回せるようにならなければなりません。

しかしながら、私は半年経ってもまだまだ英語が上達せず苦労していました。

仕事が本格化する中で、英語が使えなくてローカル社員とのコミュニケーションがうまくいかないという状態はメンタル的にも厳しかったです。

「半年も経ったのに全く英語を使えない…」と落ち込む日々が続きました。

特に、私の英語力不足から生じたローカル社員とのコミュニケーションエラーで、お客さんに迷惑を掛けてしまったときには、非常に落ち込みました。ローカル社員からも皮肉のようなことを言われてしまい、(それもうまく聞き取れず、怒っていることしか分からない)自分の英語力のなさを痛感しました。

【スピーキング】

・英語を話すときに頭で組み立ててからでないと話せない

・ネイティブの会話にうまくカットインできない

【リスニング】

・専門用語や固有名詞は少し分かるようになり、多少は聞き取れる

・それでもネイティブの英語の速さについていけない

この時期は、これまでのTOEICの勉強しかしてこなかった自分に後悔しました。結論から言うと、TOEIC英語で900点を取った経験があったとしても、赴任半年では英語を自由自在に操ることはできません。それくらい日本での勉強英語とネイティブの生きた英語は違います。

赴任9か月目

ところが、悶々とした日々を経て、赴任9か月目ともなると、少しだけ変化が現れるようになってきたのを感じました。特にこの時期はYouTubeの英語教材のリスニングとSkype英会話に本腰を入れて取り組んでいたので、ある時突然、あれ?英語少し上手くなった?という実感が湧いてきました。

仕事に対する慣れが出てくる頃でもあるので当然かもしれませんが、「ある日突然英語が分かるようになる」といった話も、さもありなん、と思いました。

【スピーキング】

・原稿を用意すれば、きちんと相手にプレゼンテーションができる

・文法的にめちゃくちゃなのは理解しつつも、ゴリ押しで話ができる

・複雑な概念を説明するのはまだ難しい

【リスニング】

・話慣れている人、話慣れているトピックであれば、そこそこは会話が聞ける

・部分的に分からない部分を聞き直すことができるようになる

英語ができる人は「分からなければ聞き返せば良い」なんて言いますが、英語が分からない人にとっては会話のほとんどが分からないため、聞き返すことも難しいです。

これまでは、全体的に話を聞き取れなかったため「聞き直す」ということができませんでしたが、この頃からは分からない部分について「それってどういう意味?」と聞きながら会話を進めることができるようになりました。

「何が分からないのかが分かる」という感覚は自分の中で大きな変化でした。単語なのか、表現なのか、どの部分が分からないのかが分かれば、相手に言い換えてもらったり、もう一度話してもらうようにお願いしたりできます。

この地点に来てから、ようやくブレイクスルーを実感し、英語に対する自信も少し湧いてくるようになりました。

赴任1年後

赴任1年で、ようやく仕事における英語面の障壁は少なくなってきました。

しかしながら、赴任当初に「1年もすればペラペラになるだろう」と抱いていたイメージは粉々に打ち砕かれました。1年経ってもまだまだ英語はペラペラにはなりません。

【スピーキング】

・打ち合わせに丸腰で臨んで、急遽日本語の資料を説明することになっても、たどたどしい英語でなんとか理解してもらえる

・ローカル社員と飲みに行っても、まぁまぁ楽しく会話ができる

・自分の言いたいことは大体伝えられるが、細かいニュアンスが伝えられない

【リスニング】

・定型の会議なら、70%くらいは何を言っているかわかる

・非定型で議論が必要な内容だと、50%くらいの理解度になってしまう

・ネイティブ同士の会話に放り込まれると地蔵状態でまだまだ聞き取れない

1年経つと、徐々に苦労する場面は減ってきますが、それでもネイティブ同士の英会話についていくのはまだまだ難しいです。

「英語が使える」などとはおこがましくて言えないレベルですが、なんとか自分の言いたいことくらいは伝えられるようになりました。

まとめ

・1年程度では、思った以上に英語は上達しない

・自分から勉強しないと英語力は伸びない

・TOEICのスコアなど無意味

以上、私の実体験を纏めてみました。一例として、ご参考になれば幸いです。

私は海外駐在していますが、やはり本社との打ち合わせや日本人上司のためのレポート作成なども多いため、英語力の向上に時間が掛かりました。またコロナ禍に伴う在宅勤務から、日常的にローカル社員とのコミュニケーションが取れなかったことも英語の上達に時間が掛かった一つの原因となりました。

ローカル社員との関わりが多い仕事をしている方(毎日すべてのコミュニケーションが1日中英語漬け)であれば、また習得度合いは違ってくると思います。

しかし総じて言えるのは、やはり英語は一朝一夕では身に着くものではありません。日々の積み重ねを大切に、努力を重ねていきましょう。